モバイルWi-Fiルーターの構造・メカニズム

モバイルWi-Fiルータールーターの構造

モバイルルーターは、SIMカードを挿入し、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク・楽天モバイルなどの、4G/5Gの無線通信ネットワークを利用してインターネットに接続します。


バッテリー駆動で持ち運びが可能であり、主にアンテナ、通信モジュール、CPU、バッテリー、SIMスロットで構成され、無線(Wi-Fi)または有線(USB)でスマホやPCをインターネットに繋ぎます。


モバイルルーターの仕組みは、実は「とても小さな通信基地局」のような構造になっています。

モバイルルーターの構造と仕組み


1. 外部との通信:モバイル回線(WAN側)

  • モバイルルーターは、スマホと同じように SIMカード を使って携帯電話ネットワークに接続します。
  • 主な構成要素
  • モデム(LTE/5Gモデム): 4G/5Gの電波を受信し、データ通信を行う心臓部。
  • アンテナ(内蔵 or 外付け): 電波の受信感度を左右する重要パーツ。
  • SIMカードスロット: 契約した通信会社のSIMを挿入してネットに接続。
  • 役割
  • インターネット接続: 基地局(キャリア)と通信してインターネットに接続。
  • バンド切り替え: 電波状況に応じて周波数帯を切り替える。
  • 5G/4G切り替え: 5Gと4Gを自動で切り替える。

2. 内部処理:ルーター機能(NAT・DHCP)

  • モバイル回線で得たインターネット接続を、複数の機器に分配するための処理を行います。
  • 主な構成要素
  • CPU(SoC): 通信処理を行う小型プロセッサ。
  • メモリ(RAM/ROM): OSや設定情報を保持。
  • 役割
  • NAT(ネットワークアドレス変換): 1つのグローバルIPを複数の機器で共有できるようにする。
  • DHCPサーバー: 接続した機器にローカルIPアドレスを自動で割り当てる。
  • ファイアウォール: 外部からの不正アクセスを防ぐ。

3. 内部ネットワーク:Wi-Fiアクセスポイント(LAN側)

  • ユーザーのスマホやPCが接続する部分です。
  • 主な構成要素
  • Wi-Fiチップ(2.4GHz/5GHz): 無線LAN通信を行う。
  • 内蔵アンテナ: Wi-Fi電波の送受信を行う。
  • SSID・パスワード設定機能: ネットワーク名や暗号化設定を管理。
  • 役割
  • Wi-Fi電波の発信: 端末をネットワークに接続。
  • 暗号化: WPA2/WPA3などで通信を保護。
  • 同時接続数の管理: 複数端末の接続を制御。

4. 電源・バッテリー

  • モバイルルーターは持ち運び前提なので、電源周りも重要です。
  • 主な構成要素
  • リチウムイオンバッテリー: 本体に電力を供給。
  • 充電制御回路: 安全に充電・放電を行う。
  • 省電力モード: 消費電力を抑える機能。
  • 役割
  • 長時間駆動: 長時間の通信を維持。
  • 保護機能: 過充電・過放電を防ぐ。
  • 省電力制御: 電波状況に応じて出力などを調整。

モバイルルーター内部の構造まとめ


機能 主な部品 役割
外部通信(WAN) LTE/5Gモデム、アンテナ、SIM キャリア回線に接続
内部処理 CPU、メモリ、OS NAT、DHCP、セキュリティ
Wi-Fi配信(LAN) Wi?Fiチップ、アンテナ 端末にネットを配布
電源 バッテリー、制御回路 持ち運び・省電力

  • ポイント
  • キャリアアグリゲーション(CA): 複数の周波数帯を束ねて高速化する技術。
  • デュアルバンドWi-Fi: 2.4GHzは遠くまで届きやすく、5GHzは高速。
  • テザリングとの違い: スマホのテザリングより発熱が少なく、長時間安定しやすい。

Wi-Fiモバイルルーターのアンテナの基本構造(内部)


1. アンテナの基本構造(モバイルルーター内部)

  • 多くのモバイルルーターは、内部に複数のアンテナを「L字」や「逆V字」に配置しています。

2. アンテナ配置が電波強度に与える影響

  • ① アンテナの向き(指向性)
  • アンテナは「全方向に均等」ではなく、ある一定の方向に強く電波を出します。
  • 内蔵アンテナは「横方向」に強いことが多く、その結果、立てる・寝かせるなどで電波の届き方(受信・送信ともに)が変わります。
  • ② MIMOアンテナの角度が速度に影響
  • 4G/5Gは MIMO(複数アンテナ同時通信) を使うため、アンテナが異なる角度で配置されているほど性能が上がります。
  • 角度が違う:電波の受信パターンが広がる → 速度・安定性UP
  • 同じ方向:電波の拾い方が似る → 速度低下
  • ③ 手で持つと電波が落ちる理由
  • アンテナの位置を手で覆うと、人体が電波を吸収してしまうためです。特に側面にアンテナがある機種は影響が大きい

3.Wi-Fiアンテナの配置と電波の広がり

  • Wi-Fiアンテナは「横方向に広がる」ように設計されていることが多いです。
  • ルーターを立てる:横方向に強く、上下方向は弱くなりがち。
  • ルーターを寝かせる:上下階に届きやすくなることがある。

4. アンテナ配置と電波強度の実用的な関係

  • ① 置き方で電波が変わる
  • 立てる → 横方向に強い 寝かせる → 上下方向に強い
  • ② 壁・金属の近くはNG
  • 壁:電波を吸収しやすい
  • 金属:電波を反射し、干渉や減衰を招く
  • ③ ルーターの向きを変えると改善することが多い
  • 内蔵アンテナは見えないため、向きを少しずつ変えて最も強い方向を探すのが有効です。

5. まとめ

  • 複数アンテナ:モバイルルーターのアンテナは「角度をずらして複数配置」されている
  • 向きと強さ:アンテナの向きは電波の強さに直結する
  • MIMO性能:アンテナ角度の違いで速度・安定性が大きく変わる
  • 置き方:立てる/寝かせるでWi-Fiの届き方が変わる
  • 人体の影響:手で覆うと電波が弱くなる

【コラム】クラウド型Wi-Fiルーターは他のMVNOでも使えるか?

クラウヅWi-Fiの動作チャートイメージ図
  • 【条件付きで可能だが、そのままでは使えない】
  • クラウド型Wi-Fiルーター(クラウドSIM)を他のMVNOやSIMカードで利用する場合の注意点は以下の通りです。
  • 1. SIMロック解除が必要
  • 多くのクラウドWiFi端末は、特定のクラウドSIMサービス専用にロックされています。他のMVNOのSIMカード(物理SIM)を差し込んで使うには、まず現在の契約会社でSIMロック解除の手続きが必要です。
  • 2. 物理SIMスロットの有無
  • 多くの端末はクラウドSIM専用で、物理SIMを挿すスロットがない場合があります。他のMVNOを利用するには、SIMカードが挿入できる(SIMスロットがある)機種である必要があります。
  • 3. APN設定(アクセスポイント設定)の手動入力
  • SIMロックを解除して物理SIMを挿しても、自動では通信が始まらないことがほとんどです。設定画面から、使用するMVNOの「APN設定」を手動で入力する必要があります。
  • 4. 対応バンド(周波数帯)の確認
  • 端末が、新しく契約するMVNO回線(ドコモ・au・ソフトバンクなど)の周波数帯に対応しているか確認が必要です。対応していない場合、電波が弱かったり、繋がらなかったりします。
  • 5. クラウドSIM機能は使えなくなる
  • 他のMVNOのSIMを挿した場合、そのルーターの最大の特徴である「複数キャリアの電波を自動切り替えする機能」は使えなくなり、挿したSIMの回線のみでの通信となります。
  • ● 結論として
  • SIMロック解除が可能で、物理SIMスロットがある機種であれば、APN設定を行うことで他のMVNOでも利用可能です。
  • 手間を考えると、レンタルしていた場合は返却し、新しくそのMVNO専用のルーターを手に入れた方が簡単です。